四国歩き遍路 徳島編 | |
熊谷を7時20分の電車に乗り、東京駅から新幹線で岡山まで行き、在来線に乗り換えて瀬戸大橋を渡って四国に入りました。 いつもはこの距離だと自家用車で行くのですが、今回は完全な「歩き遍路」を目指しているので列車で行くことにしました。列車だと駅弁を食べながら…一杯飲みながら行けるのでとても楽です。 板野駅で鈍行に乗り換えて板東駅に着いたのは15時を過ぎていました。駅には誰もいません。もう夕刻とあってひっそりとしていました。 ![]() とりあえずは第一番札所の霊山寺に向かいました。 到着すると、この時間にはもうあまり参拝者もなく、境内はひっそりとしていてなんとなく物足りない気がします。 ![]() 参拝を済ませて納経の後、境内前の店でこれから始まる歩き遍路のための金剛杖を買いました。 ![]() 二種類あって、単に「同行二人 南大師遍照金剛」とだけ書かれているのは1,000円。般若心経が書かれているのは2,500円。少々迷いましたが…これからの旅の無事を祈って2,500円の杖を買いました。 今日の宿は、霊山寺から北へ約500メートルのところにある民宿「観梅苑」。 霊山寺近くの旅館「かどや椿荘」に泊まろうと思ったのですが、あいにくお休みとのことで、民宿「観梅苑」にしました。 宿泊者は私一人だけ! ![]() ![]() 8時消灯 本日の歩行距離…1.6km 11月7日(火) 朝5時半起床!6時半に朝食! 今日は第七番札所の十楽寺まで行く予定。 朝七時にスタートして歩き始めました。 霊山寺の山門をでて次の第二番札所の極楽寺までは約1.2km。第三番札所の金泉寺はさらに約2.6kmとあまり遠くないのですぐに着いてしまいます。 車やバスでお参りをしている参拝者が結構来ています。 それぞれ本堂と大師堂で読経をして…。 「般若心経」もだいぶうまく唱えることができるようになりました。 ![]() ![]() 納経を済ませて一休みしながら眺めているとだんだん分かってきます。歩き遍路の方は、リュック・サックを背負い、ウォーキングシューズを履いていて、圧倒的に独りが多いということです。 二人連れ(ご夫婦)は車遍路、グループの人達は遍路専門の観光バスや観光タクシーで回っている人たちが多いようです。 当然、休みながら地図などを見ていると、歩き遍路の人に声をかけられたりします。そしていろいろな情報交換をしています。 歩き遍路のほとんどは霊山寺を朝出発して、第六番札所の安楽寺か第七番の十楽寺まで行くようです。(私も十楽寺まで) 金泉寺を出ると遍路道と国道を進んで大日寺まで約5km。 ![]() だんだん腹が減ってきましたが…店がありません。 幸いにもコンビニがあったので菓子パンを買って、どこかで食べることにしました。 次の第五番札所の地蔵寺に行く前に五百羅漢を見学して、境内の休憩所で一休み!パンを食べて元気が出ました。 ![]() 第六番札所の安楽寺までは地蔵寺から柿畑や田んぼの中を進む遍路道を歩いて1時間少々。 安楽寺は宿坊もあり、悪き遍路の人達もだいぶ利用するようです。私は次の十楽寺の宿坊に泊まる予定でしたので、お参りを済ませて十楽寺に進みます。 今晩の宿泊は十楽寺の宿坊。 十楽寺には午後3時に到着し、お参りを済ませてすぐに宿坊に入り、その日に着ているものをすべてコインランドリーで選択!(以後、洗濯は宿に着いたらすぐにやるのが日課になりました。) インターネットでいろいろと調べて分かってはいたのですが、宿坊と言ってもまさにホテルです。 ツインベッドの部屋で二食付きでお酒2本飲んで8,000円。。 ![]() ![]() この日の宿泊者は全部で4人。車で回っているご夫婦と歩き遍路の男性1名。 11月8日 朝5時起床、6時から本堂で自由参加の朝のお勤めがあったので参加してみました。和尚さんからありがたいお話をいただいた後、6時半から朝食。おいしくいただいた後、朝7時に出発! まずは、第8番札所の熊谷寺を目指して歩き始めます。道のりは約4km。小一時間で到着しました。しかし、天候が崩れ始めて小雨が降り始めました。 ![]() 熊谷寺(くまたにじ)には立派な多宝塔があるので、その塔を少々スケッチしてきました。あまりゆっくり描いてもいられず、雨も本降りになってきたので、雨具に身を包んで第九番の法輪寺に向かいました。 残念ながら雨は降り続けています。 ![]() 雨の中法輪寺で参拝を済ませました。山門を出たところに茶店があります。「コーヒーあります」とあったので1杯飲みながら休むことにしました。 たしか、前回来た時もこの茶屋で休んだ覚えがあります。 見ると、奥に外国人のグループが休んでいました。 聞いてみると、オーストリア人2名、台湾人1名、それから案内している日本人女性でした。 是非私と一緒に写真を撮りたいというので…、雨具を着て変な姿でしたがご要望にお応えしました。 ![]() 先がまだだいぶあるので第十番の切幡寺に向かいました。法輪寺からは約4kmなのでほぼ1時間で着きます。 山門前の店や遍路宿(その多くは営業していません)が並ぶ道を進んでやっと山門に着くのですが…本堂まではまだ333の階段があり、これを登り切らないとなりません。 切幡寺から次の第十一番の藤井寺までは9.3km。 地図は持っているのですが、よくわかりません。おまけに遍路道案内表示も見落としてしまうこともありましたが、何とか午後3時頃には藤井寺に到着しました。 ![]() 早々にお参りを済ませて、今晩泊まる宿へ向かいました。 藤井寺の近くにある旅館吉野です。 明日は、へんろ転がしで有名な焼山寺に向かうため、この宿に決めました。この宿を朝出発しても焼山寺を超えて次の宿に行くには1日かかります。 そんなわけで…焼山寺を目指す人の多くがこの宿に泊まります。この日は私を含めて5人の宿泊者がいました。 うち、3人はたしか安楽寺であった人達、一人は昨日同じく十楽寺に宿泊した人でした。 ![]() ![]() 明日は山登りなので朝早く出発する予定です。 11月9日 今日は遍路転がしの第12番の焼山寺越えです。 幸運にも天気は回復しました。 朝食を済ませて7時少々前に宿を出発しましたが、他の人達はすでに出発していて私が最後でした。 藤井寺境内の奥に焼山寺への遍路道があります。 やっと明るくなった早朝の山道を登っていきます。林の中に入るとまだ薄暗くてなかなか目が慣れません。 ただひたすら登ります。 若い頃、ずいぶん山には行きましたが……かなりきつい登りが続きます。ガイドブックでは焼山寺まで約7時間となっていますが…。 まずは、「長戸庵」というところを目指します。 1時間半登り続けやっと少々平らなところに着きました。そこに長戸庵という庵があります。しかし無人で中には入れません。 ![]() 一息ついて、また登り始めます。 次のポイントの「柳水庵」には9時20分に到着しました。 ガイドブックよりだいぶ早いペースで登ってきました。 先に出発した人たちにここで追いつきました。 まだ登りは続きます。途中の林道を越えたところからまた急な登りとなり、荷物の重さがこたえます。(だいぶ荷物は少なくしたのですが…)というのは、旅館吉野に昼食用のおにぎり2個を作ってもらったのと、焼山寺まで水がないので、ペットボトルのお茶2本をザックに入れていたからだと思います。 それでも「浄蓮庵」という一本杉のある所に10時に到着しました。 ![]() そこを過ぎると、今度は下り! せっかく上ったのに、下る分また登らなければならないのでと思いつつ進んでいくと急に視界が開けて神山町佐内の集落が見えてきます。 ここから再び最後の急な登りとなります。 大変な思いをしながらも12時15分に第12番札所の焼山寺にたどり着きました。 予定時間よりだいぶ早く着きました。 ![]() 納経を済ませて、納経所の下にあるお土産屋で200円のうどんを食べて生き返りました。 まだ時間的に余裕があったので、せっかくだから奥の院(938m)まで行ってみようと思い納経所で聞いてみると、「往復で約1時間40分かかり、めったに登らないので、帰ってきたら必ず戻ったことを報告してください。」と言われました。 往路は登りなので1時間近くかかって焼山寺山(938m)の山頂にある奥の院に到着しました。頂上に小さなお堂があるだけで、曇っていたので残念ながら景色は見られませんでした。 ![]() 帰路は下りなので25分で焼山寺に着いてしまいました。 今日の泊りは焼山寺から約3km下ったところにある「なべいわ荘」という民宿です。ゆっくりと下って行っても小一時間で着きます。 「なべいわ荘」は外観は大きな施設なのですが、泊り客は私のほかにはあと一人しかいませんでした。今朝、旅館「吉野」を出発した人達は10km先にある民宿まで歩いて行ったようです。 ![]() ![]() ![]() 山道をよく歩きました。 11月10日 朝6時半朝食。 7時ちょうどに「いわなべ荘」を出発しました。 今日は約20km先の第13番札所の大日寺までの予定なので、少々余裕があります。 と思ったら…、出発早々またきつい登りの遍路道です。昨日の焼山寺への登りと同じような道です。 地図を見て登りは登りでも大した登りだとは思っていなかったのですが…。 それでも何とか頑張って「玉ゲ峠」にたどり着きました。 ![]() 峠で、宿で作ってもらったおにぎりを食べながら少々休憩。 この峠を越えればあとは下りだけのはずです。 長い緩やかな坂道を下ること約5km、やっと民家のある所まで降りてきて、あとは鮎喰川沿いに県道を行けば大日寺に到着するはず。 鮎喰川の両岸に県道が走っていて、どちらを通っても構わないのですが、途中から川の南側を走る県道を歩くことにしました。というのは、そちらの方が交通量が多く、ひょっとしたらうどん屋かレストランでもあるかもしれないと思ったのですが、甘い考えでした。 歩けど歩けど店などありません。おにぎりは食べてしまったし…。 大日寺まであと1~2kmという所まで進むと、「おやすみなし亭」という看板が出ていました。遍路宿のようですが、食堂もやっている様子。 行ってみると、とても営業しているとは思えない状況でした。ガラスの扉も閉まっていて…、ガラス越しに中を覗き込むと一人のおじさんがいました。 扉を開けてもらって、何か食べるものはできないか聞いてみると、今は営業していないが「うどん」でよければ作ってくれるとのこと。助かりました。 この数年、歩き遍路が減ってしまって閉店の状況が続いているとのことでした。 おいしくうどんをいただき、元気が出たところで再び歩き始めました。とは言ってもすぐに大日寺に着いてしまいました。 今日の泊りは境内のすぐ隣にある民宿「名西花」。 ![]() まだ2時40分なので洗濯をしてもだいぶ時間があります。 あたりを散歩して簡単なスケッチを1枚描きました。 今日の宿泊者は、私のほか4人のおばさんのグループと1人のおじさん。後で分かったのですが、おじさんはタクシーの運転手兼ガイドで4人のおばさんたちの札所巡りの案内をしているようでした。 今日の夕食もお酒2本をいただきながら楽しくいただきました。 ![]() ![]() 午後7時半消灯。 11月11日 朝5時半起床、6時半朝食。 今日と明日は休息日! というのは…焼山寺の山越えでの疲労を回復するため。 そんなわけで、今日も明日も歩行距離はそれぞれ15~16km。 それでも朝7時に宿を出発。 まずは第14番札所の常楽寺。約2km少々なのですぐに着いてしまいます。お参りを済ませて納経所で一休みしていると、同宿だったおばさんたちがタクシーでやってきました。 私に気が付いて、歩きなのにずいぶん早いと驚いていました。 ![]() 次の第15番札所の国分寺も1km程度しかないのですぐに着きます。現在、本堂は改築中でした。 ここでも4人のおばさんたちと一緒。 次は第16番札所の観音寺ですが、約2km。 さすがに私が着く前におばさんたちは参拝を終えて次の札所に向かったらしく会いませんでした。 第17番札所の井戸寺へは約3kmほどあります。 2年前い歩いたコースなのでなんとなく覚えています。 ![]() 今日訪れる札所はここまでで、あとは徳島市内に向かいます。 宿を徳島市内のほぼ中心にある「大鶴旅館」という宿を昨日電話で予約しました。 井戸寺から約7km位しかありませんので余裕です。 交通量の多い国道を歩きますので、昨日までとまったく状況が異なります。コンビニはたくさんあるし、食堂、レストランも並んでいるので、空腹で困ることは全くありません。 国道沿いで、「寿司・うどん」という看板を掛けた店があったので昼食をとることにしました。 寿司とうどんのセットメニューで750円。うまかった! 大鶴旅館での宿泊は食事が着かないので、外でとりました。都会なので店には事欠きません。 11月12日 朝6時起床。 今日も楽な行程です。 7時20分に宿を出発したものの、まっすぐ本日の目的地の恩山寺に向かってしまうと10時頃には着いてしまいます。 そこで、午前中は徳島市内をぶらつくことにしました。 まずは昨日の宿は素泊まりだったので、どこかで朝食をとることにしました。 幸いにも近くに朝からやっているレストランもあったのでモーニング・セットなるものを食べました。 白衣に金剛杖を持って丸編み笠姿で店に入るのはこういう大きな町では少々気が引けたのですが…。 宿の近くに阿波踊り会館がありますが、朝早くてオープンしていません。そこでインターネット・カフェにでも行って時間をつぶすことにしました。ホームページのチェックやメールのチェックもここ一週間全然していませんでしたので…。 約2時間市内で時間をつぶした後、本日の目的地に向かって出発しました。国道55号線を小松島方面にひたすら進みます。 標識には、目指す「室戸岬」まで134kmと表示されていました。まだまだだいぶ遠い! ![]() ![]() だいぶ歩いていると、「うどん」という看板が見えてきました。お昼だし、食べていこうと思い入店。 「天ぷら盛りうどん」を食べました。うまかった! 小松島警察署まで来ると第18番札所ま恩山寺はもう近いはずです。遍路道の標識に従って、国道から外れて右にしばらく進みます。2年前に通った記憶があります。 ![]() 今日の行程は楽だったので、ゆっくりと参拝しました。 古い山門を1枚スケッチしました。 今日の宿は恩山寺から100メートル程のところにある「民宿ちば」です。少々早く着いてしまいましたが気持ちよく迎えてくれました。 本日の宿泊者は私だけとのこと。 私だけなので、洗濯もゆっくり、風呂ものんびり…。 今日もお酒を2本ほどいただきながらの夕食を楽しみましたが、話し相手がいないのが少々残念でした。 7時半消灯 本日の歩行距離…9.7km 11月13日 朝6時起床、6時半朝食。 明日の鶴林寺、太龍寺の山越えに備えて、今日は鶴林寺の麓まで行く予定で朝7時に出発しました。 まずは4km先の第19番札所の立江寺を目指します。 しばらく歩いていると、後ろから変な外国人が迫ってきました。衣装から見て歩き遍路だ。 私を追い越すときに私から熊谷弁でどこから来たのか聞いてみると…、もちろん理解できない様子。そこで英語でどこから来たのか聞くと、やっと理解したらしく「フランス」と言う。 そこでフランス語で話しかけると驚いたらしく…、いろいいろとしゃべってきました。 大股で私に迫ってきたので、しばらくしてまた私を追い越して行くのだろうと思っていたら、言葉が通じるのがわかると追い越さずに私の後ろにピタリと付いてくる。そのうちに立江寺に到着しました。 彼の名前はジャン・ジャック。参拝・納経の後、いろいろ聞いてみると、日本語はもちろん英語も良くわからないので難儀をしている様子でした。(この後4日間彼と共に歩くことになります。) ![]() 立江寺をあとに二人で山の方角に向かって遍路道を進みます。 少々お腹がすいてきたので、何か買えるところか食堂でもないかと思いながら歩いていると、コンビニが見えてきました。パンとバナナ、コーヒーを買い、休憩。 午後1時頃には本日の宿泊地の民宿鶴風亭に到着してしまいました。ジァン・ジャックは斜向かいの別の民宿を予約してあったのですが、私と一緒の方がいいので、その民宿に電話でキャンセルしてくれと言うので…、まあしょうがない!してあげました。 そんなわけで、今日は彼も同じ鶴風亭に泊まることになった。 まだ時間がたっぷりあるので、宿のご主人に勧められ、荷物を置いて鶴林寺だけ行くことにしました。(本当は明日、鶴林寺、太龍寺を打って山の向こう側に下る予定でした。) ご主人が言うには鶴林寺からの戻りは、車遍路の人に頼んで乗せてきてもらえばいいとのことでした。 鶴林寺への山道もきつい登りが延々と続きます。どうしてお寺さんはこんな山の上に建てられるのかと思いながらも、なんとか1時間少々で第20番札所の鶴林寺に到着しました。 ![]() 参拝を済ませて鶴林寺の駐車場に行ってみると数台の車が駐車していました。しばらくすると、7~8人のお遍路さんが駐車場に戻ってきました。会話を聞いていると、グループで、どうも太龍寺に向かってしまう様子でしかも我々を乗せるスペースは無さそうでした。 待つこと約10分、若いご夫婦と思われるお遍路さんが戻ってきました。訳を話すと、幸運にも生名方面に下るので乗せて行ってくれるというありがたいお言葉をいただきました。 無事に宿に戻ると、まだまだ時間があります。 すると、宿のご主人が「星の岩場」に車で連れて行ってくれると言うので、これもありがたく了承しました。 車だと約20分で着きます。(歩くとやはり1時間は登らなければなりません。) 「星の岩場」には、洞穴に刻まれた不動明王像があります。 なんとその像はこのご主人が数年かかって彫ったものだそうです。それで納得しました。ご主人はこの像を我々に紹介したかったのだろうと思います。 そこには、行者が修行のために打たれる美しい滝もあります。 ![]() ![]() 明日はあまり天気が良くなさそうなので、今日のうちに鶴林寺だけでも行けたのは正解でした。 明日は鶴林寺の峠まで宿のご主人に車で送ってもらって、そして太龍寺を目指します。 今日もお酒2本をいただきながら夕食。 ![]() ![]() ![]() ![]() 明日の宿の予約をしなければ…。 11月14日 朝5時半起床。天気予報が当たって小雨が降っています。 6時半朝食。 7時に宿のご主人に鶴林寺への峠まで車で送ってもらい、そこから歩き始めました。 なだらかな下りの林道を約4km下ると、那珂川のほとりに出ます。そこからは遍路道を約4km(標高差470m)登ります。 雨具を着けての登りなので、蒸し暑くて! 焼山寺の登りのように急ではないのですがやはり登りは疲れます。 それでも9時40分には第21番太龍寺に到着しました。 反対側にはロープウエイがあるので、もっと参拝客がいるかと思いましたが、やはり雨のためかあまりいませんでした。 ![]() 次は、山を下って平等寺まで行くため、早々に出発しました。 雨の中の歩行はやはり気分がすぐれません。 雨具を着ていても袖口、首筋から濡れてきます。靴もぐしゃぐしゃになってしまっています。 平等寺に行くには、太龍寺から林道を下っていきます。約4km下ったところに龍山荘(廃業済)と坂口屋(土砂崩れの被害を受けて休業中)という民宿があったのですが、現在休業中とのことです。 そのあたりから登りになりますが、さほどきつくはありません。すぐに峠にたどり着きます。そこからは下りの遍路道でしばらくすると第22番札所の平等寺が見えてきます。 平等寺に着くと足は雨でびっしょりになってしまいました。 ![]() 早々にお参りを済ませて、今晩の宿に電話して迎えに来てもらうこととしました。 15分ほど山門前で待っていると、迎えの車がやってきました。やれやれ ひと安心! 宿は平等寺から車で15分、海沿いにありました。 泊り客は我々だけなので、海を見ながらゆっくり風呂に入りました。洗濯はお接待! 今日もお酒2本をいただきながら夕食を楽しみました。海辺なので魚がうまい!しかし、ジャン・ジャックは酒を飲みませんでした。 ![]() ![]() 夜8時消灯 本日の歩行距離…16.6km 11月15日 朝6時起床、6時半朝食。 7時に宿のご主人に昨日迎えに来てもらった平等寺の山門まで車で送ってもらいました。 7時20分、薬王寺に向かって出発しました。天気は快晴! 平等寺から約11kmは山のふもとを通る遍路道が続き、その後は海岸に沿って進みます。 海が見えたところで小休止! ![]() 海辺を歩くのはなんとなく気持ちが良く、今までの疲れも忘れます。 順調に歩き続けましたが、少々腹が減ってきました。 由岐の町のコンビニでパンとバナナを買って、海辺の休憩所で昼食をとりました。 もうすぐ薬王寺というところで、お遍路の接待所があり、おばさんたちが是非とも寄ってお茶かコーヒーでも飲んで行きなさいとのことなので…お茶を一杯ごちそうになりました。 連れのジャン・ジャックはフランス人なのにコーヒーがあまり好きでない様子。私はコンビニがあるたびに100円コーヒーを飲むのですが…。 ![]() 第23番札所の薬王寺には午後3時に到着しました。 吉川英治の「鳴門秘帳」の舞台にもなったお寺さんで、屋根に五つの塔を持つ瑜祇塔は遠くからでも見えます。 今日はここまでのためゆっくりとお参りしました。 ![]() 本堂前にある観音様の脇に灯篭が立っています。 この灯篭は、私に四国遍路を勧めてくれた方が偶然にも見つけたもので、その方の知人が寄進したものでした。 今日の宿は境内のすぐ下にある「薬王会館」。薬王寺の宿坊みたいなものですが、施設の管理・運営は委託しているとのことでした。 ![]() ![]() 久しぶりに入る大きな風呂は最高でした。ジャン・ジャックも大満足! 11月16日 朝5時半起床、6時に本堂でのお勤め(自由参加) 6時半朝食。 朝7時に出発。次の札所まで74kmあるので2~3日はかかります。とりあえず今日はどこまで行けるかをお昼までに判断し、お昼に宿の予約をしようと思います。できれば海陽町まで行きたいと思い、頑張りました。 ほとんどが国道55号線を歩くことになります。海は近いといっても、小さな山が岬を形成していて、そこにはトンネルがあります、数百メートルの場合もあれば2百メートルに満たない場合もあります。 歩道はほとんど完備はされていますが、柵が無かったりとても狭かったり…といろいろです。 トラックが来るとその騒音で何も聞こえません。 トンネルを出るとホッとします。 牟岐町からは本当の海岸沿いの道になります。数キロメートルごとに小さな町(村)がありますが、お店となると探すのは難しくなります。遍路道を外れて町の中に入ればあるのでしょうが、遍路道に戻らなければならないロスを考えるとどうしても先に進んでしまいます。 鯖大師の付近まで来たとき、一度我々を追い越した車がすぐ先で止まって我々を待っています。近寄ると、助手席からご婦人が降りてきて、「お接待です」と、ペットボトルのお茶2本と菓子パン2個、みかん2個を差し出しました。ありがたく頂戴いたしました。 夕方までには何とか海陽町まで行けそうなので、生本旅館という宿に電話して予約しました。この辺まで来ると前にも後にも歩きお遍路さんの姿はありません。薬王寺までは先か後にお遍路さんが見え隠れすることがありましたが…。 開南町付近だと思うのですが、接待所があり、またまた是非寄っていってくれというので、お言葉に甘えてお茶を一杯いただきました。 ![]() 今日の宿は海部駅から南に数百メートルのところにある生本旅館。午後3時少々過ぎたころに到着しました。今日の泊り客は我々のほか1名。この方は区切りで回っているとのことで、高野山で外国人の通訳をやっているとのこと。英語は達者な様子ですが、フランス語はだめのようでした。 今日もお酒を2本いただきながら楽しく夕食をいただきました。ここでのお料理が今までの中で一番豪華なような気がします。 ![]() 午後8時消灯 11月17日 朝5時半起床、6時半朝食。 7時に宿を出発。 ![]() 明日は天気が崩れそうなので、できるだけ歩きたいと思い出発しました。 ジャン・ジャックは足が痛いとのことで、今日は6kmほど行った宍喰町にある宿に泊まり、休養するとのこと。 とりあえずその宿まで一緒に行き、そこで彼とは別れてまた一人旅となりました。 宍喰町を過ぎてトンネルを越えたところで徳島県から高知県に入りました。 ![]() 独りで歩くと多少ピッチが上がります。 しかし歩けど歩けど同じような景色が続き、遠くにぼんやり見える岬が室戸岬かな、と思うと…、少々近づいてみると、そのまた向こうにかすかに岬が見え始めます。地図を眺めながら考えても、まだまだ室戸岬は見えないはず。 東洋大師を越えたあたりで、今日はどこまで歩くかを決めて宿を探す必要があります。今日は調子がいいのでなんとか佐喜浜町まで行こうと思い、「ロッジおざき」に電話して宿を確保しました。そこまではまだ20km近くありますが、何とか4時くらいまでには着くだろうと思いました。 水尻という所にある休憩所を越えると、やっとここから「室戸市」という表示がありました。 「ロッジおざき」まではもう数キロ先です。 宿に到着したのはちょうど午後4時でした。 私が到着した後、昨晩宿が一緒だった高野山ガイドの方が到着、オランダ人女性が到着、その後もう一人のお遍路さんが到着し、今日の泊り客は私を含めて4人となりました。私が最初に到着したので、風呂も一番に入りました。洗濯もお接待でやっていただけました。 ![]() ![]() 明日は天候が悪いようですが、ここまでくれば室戸岬まであと17~18kmと思いますので、予定通り最御崎寺に到達できそうです。 今日もお酒を2本ほどいただき、同宿の皆さんと楽しく話しながら夕食を楽しみました。 オランダから来た女性は日本に留学経験があるらしく、日本語はペラペラでした。明日は私と同じく最御崎寺の宿坊に泊まる計画でした。 ![]() 午後8時消灯 本日の歩行距離…34.7km 11月18日 午前5時半起床、6時朝食。やはりしとしと雨が降っていました。 私とオランダ人女性以外の二人はすでに5時ごろ雨の中出発していきました。というのは、二人とも金剛頂寺まで行く予定とのことでした。おそらくはお二人とも私より少々年上と思われるのに大したものです。 雨降りだとどうも歩行意欲がなくなります。 それに最御崎寺まではさほど遠くないし…ということで私はいつも通り7時に出発しました。 ![]() 歩き始めると、海の景色は雨でかすんでいます。まだ朝早いせいか、雨が手の甲に当たると寒く感じます。 「めおと岩」を越え、雨の中、時々通る車のしぶきを浴びながらもくもくと歩きました。 歩いていると、一つの指標になるのが道端に書かれている道標なのですが…、「室戸岬まであと8km」の道標を過ぎてしばらく歩くと、今度は「室戸岬まであと10km」という道標があったりします。??? 私の雨具は、コンビニで買った500円くらいのコートのようなものですが、どうしてもズボンが濡れてしまいます。次回は上・下別れたものを用意したいと思います。 休憩所で休みながらも午前11時頃、岬近くに立つ弘法大師像が遠くに見えてきました。 やっと「室戸岬」に到着。 ![]() 少々早いけれど昼食をどこかの食堂で食べようとやっているお店を探したのですが…。一軒だけ「cafe」と表示のある店が営業しており、入って聞いてみるとスパゲティーならできますとのこと。おいしくいただきました。 「室戸岬」は雨が降っていなければ訪れる観光客もいるのでしょうが、人影もなく静まりかえっていました。 第24番札所の最御崎寺は海岸から遍路道をかなり登ったところにあります。この登りが結構きつく感じます。 ![]() ![]() 登りきるのに20~30分かかります。登りきると山門が見え、その奥に本堂と大師堂があります。私が到着したときは参拝者は誰もおらず。 雨で線香が濡れてしまいなかなか火が付きません。濡れて無さそうな線香を選んで何とか火が付きました。 参拝が終わると納経所で御朱印をいただくのですが、納経所の対応もいろいろなところがあります。感じの良いところ、悪いところ…、この最御崎寺の納経所はとてもつっけんどんで残念ながら感じの悪いところでした。 ![]() 今日の宿は最御崎寺の宿坊。境内のすぐ裏にあります。 納経所の方と異なり、この宿坊のおばさんは大変愛想のよい方でした。 宿坊はホテル並みで私の部屋はベッドでした。 風呂も大浴場がありました。 今日もお酒を2本いただきながら、同宿の皆さんと歓談しながら楽しく夕食をとりました。 ![]() ![]() ![]() ![]() 9時消灯 11月19日 朝5時起床、6時半朝食。 今日は快晴です。しかし、朝は少々寒く感じます。 最御崎寺を出発して、まずはつづら折りの車道を海岸まで降り、海岸線を西に進みます。途中までは山が邪魔して日が差しません。 津照寺までは単調な海岸線に沿った国道を避けて、両脇に民家が並ぶ遍路道を歩いて約1時間半です。 ![]() 2年前に来た時の記憶が残る漁港を過ぎるとまもなく 第25番札所津照寺に到着しました。 ![]() 津照寺は海岸付近から続く石段を登ったところにあり、竜宮城のような札所です。ここはもう徳島県でなく高知県に位置しています。 |
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