ペイヨン
ニースの北東約12キロの所にペイヨンという小さな村があります。
この地域の典型的な鷲の巣村ですが、鉄道やバスで行くことができないためか、観光客はほとんど来ません。
現在この村に住んでいるのは100人たらず。村には店というものが一軒もありません。村の中を歩くと静まり返っており、会うのは猫くらいのものでした。
ペイヨン
                           ペイヨンの村
そんな村でも入口にホテルはあります。オーベルジュ・ド・ラ・マドンヌという三つ星ホテルです。
このホテルに滞在しながらゆっくりと描くことにしました。
レストランもこのホテルのレストランしかなく、滞在中は三食お世話になりました。ミシュランにも掲載されているこのレストランの料理は大変おいしいのですが少々高め。この地域では有名らしく、ニースあたりからわざわざこのレストランにやってくる人もいます。

一人で食事をしていると必ず主人が来て、料理はどうか?と聞いてきます。 有名なシェフで日本が好きらしい。息子もフランス料理のシェフで、伊勢丹でのフランス料理コンテストで賞を獲ったらしく、その時の日本語の新聞記事がロビー入口に貼ってあります。
レストラン 教会
     ホテルのレストラン                  てっぺんにある教会
この村は典型的な鷲の巣村で、下から村を見上げると、よくこんな山のてっぺんに村を作ったものだと感心します。
普通の観光客なら、村の見学は一時間もあれば充分でしょう。このレストランで食事をしても半日というところだと思います。
しかしゆっくり絵を描くとなると三泊位はしてみたい。 主人に聞いてみると、日本からも絵を描きにくる客がいるとのこと。中には78人の団体で来て、そこかしこで描きまくっていくそうです。
私は一日一枚、ゆっくり、のんびり描いてきました。

入口で 丘から
        ホテルの前で                     シャベル前から
村の全景を描くには、ホテルから20メートル程度ニース方面に戻った所にSt.Rochへの小路があります。その小さなシャペルがあり、その前から描くのが素晴らしい。
一枚はそのシャペルから、翌日は村の駐車場に続く小路から描いてみました。
村の中は路が狭く、階段が多いため、場所探しに苦労しますが、小品であれば面白い絵が描けると思います。

ホテルの脇から
                        ホテルの脇から

この村に来る時は仕方なしにタクシーで来ましたが、鉄道も走っています。しかし、村は丘のてっぺん、ペイヨンははるか丘の下に位置しています。帰路は下りなので徒歩で駅まで行こうと下りて行って駅には着いたのですが・・・。
列車の本数が極端に少なく、無人の駅で2時間以上待ちました。列車はお薦めできません。
(2013
6月筆)