四国歩き遍路 高知編
前回(昨年の11月)25番札所の津照寺まで回っていたので、今回はその津照寺からスタートして愛媛県宇和島まで歩くことを目標に出発しました。

4月28日
朝六時半にカミサンに熊谷駅まで送ってもらい、7時10分の新幹線で東京へ…、東海道新幹線に乗り換えて岡山まで行きました。
ゴールデンウイークのスタート日のため、あらかじめ指定席をとっておいて正解でした。岡山からは在来線の特急「南風」号で高知まで行き、くろしお鉄道に乗り換えて終点の奈半利へ…。その先は鉄道が無いので、室戸行きのバスで小1時間掛けて津照寺のある室戸市まで行きました。着いたのは午後5時。


予約した「吉松旅館」はすぐにわかりました。宿泊客は私だけ。
古い旅館らしく、廊下などは床が抜け落ちそうなかなり歴史を感じる旅館でした。

部屋 夕食
                 吉松旅館の部屋・夕食
明日から本格的に歩き始めるため、スタートの晩餐としてお酒を2本ほどいただきました。
夜9時に消灯。



4月29日
今日から実質的に遍路旅の開始。
朝6時に朝食、6時半に宿を出発しました。
宿から国道55線沿いに約4km進んで、26番札所金剛頂寺への遍路道を登り始めます。

遍路道 太平洋
結構きつい登りで…早くも参りました。
何とか金剛頂寺にたどり着き、急いで参拝を済ませて山を下りました。というのは今日のスケジュールは、次の27番札所の神峯寺まで打つ必要があるため。


金剛頂寺

神峯寺へはまだ30kmくらい残っているので急ぐ必要があります。ほぼ国道55号線に沿って歩きますが、最後はまたきつい登りの道が4km続きます。

吉良川町、羽根、奈半利と海岸沿いをかなりの距離を歩きます。天気が良かったので歩いていると暑くて…水分補給で柚子ジュースをお接待でいただきました。
冷えてて大変うまかった。

吉良川歴史地区 神峯寺
神峯寺に向かう山道にたどり着いたのは午後2時半。
この時間から山を登り、神峯寺を打って戻ってくると午後5時近くになってしまうと思いましたが、頑張って登り始めました。登りは1時間半かかりましたが、下りは40分で下り降りました。
     
今日の宿は、国道沿いの「ドライブイン27」。
ドライブインと行っても…泊まるのは経営者の自宅の隣に建つ民家(かなり古くて…)、土間から入ると囲炉裏のある部屋があり、その奥が客間になっている。客間は二部屋、当然客も二人まで。
この日は私のほかに逆うちのお兄ちゃんが泊まりました。

夕食は奥さんが車で迎えに来て、ドライブインで食べます。
今日もカツオの刺身が出ました。
今日は40km近く歩いたのでご褒美にお酒を2杯ほどいただきました。

本日の歩行距離…35.6km
午後8時半消灯!



4月30日
この日は次の大日寺まで約34kmとかなりあるので、宿を早く出ました。
土佐湾沿いに国道や旧道を進み、安芸の町を通過します。端午の節句が近いので、こいのぼりがいろいろな所に立っています。
天気は快晴でいいのですが日差しが強くてのどが渇きます。
幸いにも飲み物の自動販売機がだいぶ設置されているので、冷たい飲み物をだいぶ飲みました。

四国限定の飲み物で「はちみつゆず」というのが自動販売機にあったので飲んでみました。
甘酸っぱくてスッキリしていて…ビタミンCが入っているとのことなのでなんとなく元気が出るような感じがします。
その後の遍路中にもだいぶこの「はちみつゆず」を飲みました。

安芸市を過ぎた所でイタリアの老人が大きなザックを背負って歩いており、大日寺まで一緒に歩きました。
サンチアゴ・デ・ラ・コンポステーラの巡礼は2回経験しているとの話ですが…歩くスピードが少々遅く、大日寺に着いたのは午後4時頃になってしまいました。
このイタリア人とは、その後足摺岬まで数回会うことになりました。

イタリアン 鯉のぼり

今日の宿は大日寺から少し北に行ったところにある「遊庵」という民宿。
部屋は洋室でとてもきれいな部屋でした。 

おそらく3室くらいあったと思いますが、宿泊者は私のほかに歩き遍路のK氏だけでした。
洗濯を済ませたころに程よく夕食。
高知の民宿だと「カツオの刺身」が定番のように出てきますが、この日の料理はアスパラのベーコン巻き、海鮮サラダ、菜のお浸し、エビフライ…。

今日も良く歩いたのでお酒を2本ほどいただきました。

遊庵 部屋

夕食
本日の歩行距離…34km
夜8時半消灯



5月1日
今日も快晴!
朝7時に宿を出発。テレビの天気予報だと明日は天気が崩れるとのことなので、なるべく今日のうちに回れるだけ回ろうと思い、元気に国分寺に向かって出発しました。
が…一昨日、昨日と2日間とも山道含みで30km以上歩いたので少々足の痛みが出てきました。

29番札所の国分寺までは9.2km。
 
高低差のない田園地帯を遍路道しるべに沿って進みます。
何とか午前9時半には29番札所の国分寺に到着しました。

遍路道 国分寺
       田園地帯を進む               国分寺

次の善楽寺までは約7km。
お参りを早めに済ませて出発!
しばらくは国分川沿いに田園地帯を進み、小山橋という橋を渡って低い山の麓を回り込み、しばらく進んで休憩所で一休み。


一休み 遍路道
       一休み                    遍路道
今日はまだまだ歩かなければならないので5分ほど休んで出発。先にも後にも歩き遍路の姿はありません。
先の方に遍路の姿が見えていると進むべき道が解かって都合がいいのですが…。
 
国分寺を出てから1時間半で30番札所の善楽寺に到着しました。
車で回っているお遍路さんが7~8人境内にいました。歩き遍路は私だけ。

善楽寺を出るとしばらく田んぼの中を進み、その後は広い国道に沿って竹林寺を目指します。
空腹で何か食べたいと思いながら歩いていると、遠くにうどん屋のチェーン店が見えてきました。
遍路道が国道のような広くて交通量の多い道を歩く場合の良いところは、食堂やレストランあるいはコンビニなどを見つけられる可能性があることです。

店に入り、「ぶっかけうどん」に海老天一本を入れてもらいました。四国の「うどん」は安くて大変おいしい!
うどん
      ぶっかけうどん

元気が出たところで竹林寺に向かいます。
竹林寺に近づくと五台山の山道に入ります。さほど高くはやい山ですが、疲労が溜まっているせいか登りはきつく感じます。
この山道を登りきると牧野植物園に自動的に入ってしまい、その植物園を抜けたところに31番札所の竹林寺があります。

山門 五重塔

お参りを済ませてさらに禅師峰寺に向かう準備をしていると、昨日一緒に歩いたイタリアのじいさんがやってきました。今日は若いドイツの女性と歩いていました。

二人に挨拶をして出発しました。午後5時前にお参りを済ませないと納経所が閉まってしまい、御朱印をもらえなくなってしまいます。少々急ぎ足で禅師峰寺に向かいましたが、距離は竹林寺から6.7kmあります。この6.7kmがかなり長く感じました。

何とか5時前にお参りを済ませて今日宿泊する「ホテル土佐路」に向かいました。ホテルまで約6kmあり、くたくたになりながら何とか到着できました。
ホテルなので食事がありません。ホテル前のラーメン屋で枝豆一皿、餃子、ラーメンをいただきました。生ビールを2杯ほど飲みながら…。
ランドリーで洗濯を済ませて午後9時半消灯。
本日の歩行距離…34.6km

5月2日
朝起きると、天気予報通り雨。
午前7時にホテルを出発しました。
雨具を着て歩くのは大変きついと感じますが、着ないとすぐにずぶ濡れになってしまいます。
天から降り落ちる雨を防ぐのは勿論ですが、すぐ脇を通り過ぎる車の跳ね水も防がねばなりません。

雨具を着ると蒸れてしまい、暑くて暑くて…。
それに雨具を着けていても靴はびっしょり、手足もやはり濡れてきます。背中は汗で…。

ホテルを出て約2時間で浦戸大橋を渡り、坂本竜馬で有名な桂浜に到着。ゴールデンウイーク中であり、もし晴れていれば観光客がかなりいるはずですが…、まったく静かです。

港

雪蹊寺に着くころには少々小降りになりましたが、雨具は脱げません。
雨の中での参拝は少々きついものがあります。背負っているザックを雨の当たらない所に下ろしてお参りしたいのですが、そういう場所がなかなか見つかりません。ベンチはありますが、すでにずぶ濡れになっています。仕方なくザックを背負ったまま参拝をしなければならないこともあります。
また、灯明をあげようとろうそくを出すのですが、なかなか火がつきません。


雪蹊寺 遍路道
         雪蹊寺                  遍路道

雪蹊寺を打って種間寺に向かおうと思ったら、またまた雨脚が強くなってしまいました。
途中、コンビニがあったので、雨宿り兼昼食をとることにしました。幸いにも遍路用の休憩所が併設されているコンビニなので、もりそばとおにぎりを1個買い食べました。そのあと100円のコーヒーも…。

種間寺に行く途中で道に迷い約2kmほど間違った道を進んでしまいました。「道標、道しるべが無いな」と思いつつも…。
軽トラのおじさんが声をかけてくれて道を教えてもらい、何とか正規の遍路道に戻ることができました。


靴はびっしょり。靴の中に新聞紙を詰めて、早々に洗濯に取り掛かりました。靴に新聞紙を詰めるのは、新聞紙が水を吸ってくれて、翌日にはだいぶ乾くためです。

ホテルの一階が居酒屋になっており、夕食はこの居酒屋で天ぷら定食とアジサシをいただきました。
今日は歩行距離もけっこうあり、雨の中頑張ったのでお酒を二本だけいただきました。

本日の歩行距離…33km
午後9時消灯



5月3日
前日の天気予報だと、朝はまだ雨が残るとのことでしたが、早朝から晴れてきました。

ビジネスイン土佐を7時に出発。39号線に沿って約4km進むと「塚地坂トンネル」が見えてきます。このトンネルを進むと山登りをせずに楽に宇佐に行くことができます。ただし2.6kmあるので排気ガスがかなり濃くなっているようです。
そんなわけで…やはり旧来の歩き遍路道である山登りをして峠を越えることにしました。

遍路道 なんとか大橋
トンネル入り口の脇から伸びる遍路道を登り始めました。きつい登りでしたが、登り道は覚悟していたほどでもなく峠に出ました。峠を下ると遠くにこれからわたる宇佐大橋が見えてきました。

浦戸大橋もそうでしたがこの宇佐大橋も徒歩で渡ると少々不安を感じます。というのは…結構高度が高いので…。高所恐怖症の方だと恐怖を感じると思います。おまけにこの時はだいぶ風が強かったので…。

橋を渡りきると宇佐湾沿いに進み、明徳義塾高校(元横綱の朝青龍はここで学んだとのこと)手前の遍路道を右に進むと36番札所の青龍寺に着きます。
寺に向かう参道沿いには88寺の石仏が並んでいます。

石仏 山門

多宝塔
         青龍寺多宝塔
境内に着くと、天気が良くなったためか、団体のバスでのお遍路さんがたくさんいました。おかげで御朱印をいただくのに時間がかかってしまいました。

朝龍寺から次の岩本寺までは約59kmあります。とても1日では行けないので、今日は深浦にある「なずな」という民宿を予約しました。

園民宿まではおそらく6~7kmしかないので、ゆっくりと歩くことにしました。
朝龍寺を出て少し行ったところに「三陽荘」という宿泊施設兼レストランがあります。たまには多少豪華な昼食をと思いそのレストランに入りました。食べたのは「カツオ丼」(1000円)。
大変贅沢な昼食となりました。でも、うまかった!

カツオ丼
      三陽荘昼食

三陽荘で昼食をとっていると、窓越しに私に手を振っているお遍路がいます。例のイタリアのじいさんでした。

民宿「なずな」には午後3時頃には着いてしまいました。
少々早く着き過ぎましたので、洗濯をして入浴してもまだまだ夕食には時間があるのでテレビを見て時間をつぶしました。

この民宿での夕食の料理はとても豪華でした。いままでの遍路宿の中でもトップクラスの料理で感激しました。ということで…お酒も2本ほどいただきました。

なずな 部屋
      民宿なずな
夕食

本日の歩行距離…16km
夜8時半消灯



5月4日
民宿「なずな」を朝7時に出発。
今日は浦ノ内湾沿いに進み、須崎市を通過して阿和まで行く予定。
天気は安定していて快晴!

県道23号線を進むとトンネルが2か所あります。
さほど交通量は多くはないのですが、やはり不安になります。歩道と言っても幅はごくわずかなのでトラックなどが横を通過する時は不安を感じます。
白衣を着ているので見え易いとは思うのですが…。
車の音もすごいです。これは徒歩でトンネルを歩いてみないと分かりません。

トンネル みかん
トンネルを越えるとのどかな南国の景色が広がります。
ミカン等の柑橘類の栽培が盛んなのは知っていますが、国道や県道沿いに小さな台を出して無人で売っています。
柑橘類以外にもキャベツが置いてあったり…いろいろです。一袋200円くらいが多いようです。

民宿「なずな」を出てから須崎の町までは食堂は勿論、大した店もないので、宿で用意してもらった「おにぎり」を途中の休憩所で食べて昼食にしました。
休憩
      しばし休憩
 
須崎市に入るとコンビニも何軒かあります。
歩いていてコンビニを見つけるとなんとなく安心し、1日に1~2回は入ります。100円のコーヒーを飲んだり、お菓子などを買ったり、トイレを借りたり…。

須崎市のはずれに88札所ではないのですが、番外で大善寺があるので寄ってみました。こんもりした山の上にあり、須崎の町の眺めがとてもきれいでした。
大善寺 大善寺より
       大善寺                      大善寺より

今日の宿は阿和の民宿「あわ」。午後3時に到着しました。
客は私を含めて3名。(皆歩き遍路)
ご主人は年配のせいか、耳が遠くて参りました。近くに同じような名前の民宿があるらしく、よく間違えてしまうようです。
この日も予約したのしないのともめていました。

客の部屋は二階に三室。

明日は岩本寺まで歩く予定。
夕食の内容は、前日の夕食が豪華すぎたせいかあまり記憶にありませんが、カツオの刺身が出たのを記憶しています。

本日の歩行距離…25km
午後8時消灯
 


5月5日
朝7時に民宿「あわ」を出発。
今日はもう一つの名前の良く似た民宿から同じように出発したバンクーバーから来たカナダ人、フロリダから来たアメリカ人のじいさんと一緒に歩きました。

遍路道 外国人

安和を出ると遍路道はすぐに焼坂峠のきつい登りになります。高知県内の遍路道は四国4県の中では一番山道が少ないとのことですが…。
だいぶ登ってもまだまだ峠に着かず、延々と登りの遍路道が続いているのが見えるとガックリして今います。
カナダ人の兄ちゃんは若いだけあって少々早め。アメリカ人のじいちゃんは少々遅れがち。

何とか焼坂峠を越えて土讃線沿いに下っていくと土佐久礼の町に入ります。
この町を過ぎてしばらく歩くと、この日の第2の山越え「大坂峠」が待っています。
二つの山越えはやはりきついく感じました。

山を下ったところに「なかむらうどん」という「うどん屋」があり、昼食にしました。
ぶっかけうどんにイカゲソ天を一つ。大変うまかった!
四国では蕎麦よりもうどんの方が一般的で、その「うどん」はこしがあり安くて美味しいと思います。

うどん 中村屋

峠を越えると四万十町の影野と呼ばれる地区で、そこからは土讃線に沿って県道56号線を進みます。
岩本寺に到着したのは午後3時20分。今日はこの岩本寺の宿坊に泊まる予定なのでゆっくり参拝しました。

岩本寺山門 岩本寺本堂
        岩本寺山門                 岩本寺
岩本寺本堂の天井には五百数十枚の天井画があります。
先代だか先々代の住職が全国に呼び掛けて天井画を募ったということで、いろいろな絵があります。マリリン・モンローを描いた絵もあるとのことで、今ではこの天井画がこの寺の名物の一つになっているとのことです。

部屋 夕食
       宿坊の部屋                    夕食
食堂 
        食堂
宿坊の部屋は広くてきれいでした。

夕食は食堂で宿泊者全員でいただきます。この日の宿泊者はおよそ15名。うち、歩き遍路は4名。
お酒を注文したいと思い、食堂のおばちゃんに頼むと、「燗」でなく「冷」にしなさいと勧めます。はじめはなぜだか分かりませんでしたが、運ばれた「冷酒」をみて納得しました。1合ほどが入るであろうコップに満々とお酒が注がれ、そのコップの受け皿(結構大きな受け皿)にもいっぱい溢れていました。

本日の歩行距離…30km
夜9時消灯



5月6日
朝6時に本堂で朝のお勤め。その後、朝食。

出発は7時。今日の午後は天気が崩れるとのことなので、できるだけ早く出発したかったのですが…。
岩本寺から足摺岬の先端にある次の金剛福寺までは約81km。
途中で2泊することにしました。

岩本寺を出ると山間の県道56号線のだらだらした登りを小一時間進むと遍路休憩所がありそこから県道を外れて片坂峠に向かう遍路道を進みます。登りは大したことはないのですが、下りが結構距離があるように感じました。山を下りると黒潮町の市野瀬という所。

休憩 公園
名前の良くわからない水のきれいな川沿いに、荷稲(かいな)、伊与喜、土佐佐賀と進みます。
土佐佐賀からは土佐湾沿いの海岸に沿って県道56号線を歩きます。

海岸の景色がとても美しい佐賀公園付近のレストランで昼食をとることにしました。カツオ丼プラスぶっかけうどんで千円でした。うまかった!

海岸 鯉のぼり
井ノ岬をトンネルで越えさらに県道を進んて行くと、天気予報通り雨が降り始めました。
さほどの雨ではないのでそのまま歩き続けたのですが、今日の宿泊場所まであと一時間というところで本降りになってしまいました。
仕方なく雨具を着けてザックにも防水カバーを被せて再び歩き始めました。

こどもの日は過ぎていますが、いろいろな所にまだ鯉のぼりが泳いでいます。
入りの松原という砂浜では、たくさんのTシャツがなびいていました。

雨具を着けていても土砂降りで、かなり濡れてしまいましたが、午後3時40分に宿であるネスト・ウエストガーデン土佐に到着しました。

まずは洗濯をして風呂に入り、少し休んでいると夕食の時間になってしまいました。
食堂に行くと、だいぶ前に一緒だったK氏とカナダ人の兄ちゃんがおりました。K氏とは数日ぶり。カナダの兄ちゃんは野外でのテントで野宿を旨としていますが、この雨のため今日はこのホテルに泊まることにしたとのこと。

この宿は大きな施設で、少々高いけれど「遍路割引」が適用されました。
部屋は洋室と和室があるようですが、安い方の和室に宿泊しました。

ウエストガーデン 部屋
   ウエストガーデン土佐
レストラン

l明日も午前中は雨が残るとのこと。
本日の歩行距離…34km
夜9時消灯



5月7日
朝起きてみるとまだ雨が降っていました。
雨の中、午前7時に出発。
今日は四万十川を渡り、土佐清水市の久百々(くもも)まで行く予定です。

まずは田ノ浦から四万十川に架かる四万十大橋に向かい交通量の少ない広域農道を道しるべに従って進みます。
約1時間半ほど歩くと四万十川に着きます。まだまだ雨はやむ気配はありません。

雨の中 四万十川
          雨のウオーキング              四万十川
橋の手前にローソンがあったので、百円コーヒーを買って飲みながら休んでいると、カナダの兄ちゃんが大きなザックを背負って追いついてきました。コーヒーでも飲んで休んでいくよう促したのですが、にやりと笑っただけで橋を渡っていきました。やはり私と違って体力がある。

四万十川を渡り土手沿いにしばらく歩くと「田吾作」という看板が目に入ってきました。歩き遍路用の地図で確認すると「うどん屋」とのことでした。そういえば、私に四国遍路を勧めてくれた知人が確かこのうどん屋でやはり昼食をとったとのことを思い出しました。
もう11寺なので私も少々早い昼食をとることにしました。注文したのは「うどん定食」。冷うどんとタケノコの煮つけ、漬物にごはん、これも美味しかった!
おじいさんとおばあさん(少々わかめの)が何十年も前からやっているうどん屋で、私が食べていると結構お客さんが入ってきました。

田吾作 うどん

お腹がいっぱいになったところでまた元気を出して歩き始めると、遠くにトンネルが見えてきました。全長1600mの新伊豆田トンネルです。少々長いトンネルですが、中に入れば雨で濡れる心配はありません。歩道もしっかり設置されていました。しかしやはり車の轟音がものすごい音で響きます。
15分かかってトンネルを越えるとホッとしました。

トンネル 真念庵入口
         市野瀬トンネル             真念庵入口
トンネルを越えたところが「市野瀬」という所で、真念庵という小さなお堂があります。この真念庵も知人が訪れて納経所が少々離れているということを思い出しました。納経をいただくお宅に寄ってみましたが残念ながら留守でした。

真稔庵
        真念庵
県道に戻り、下ノ加江川沿いに下ると何軒かの店が並ぶ地区になり、ローソンが見えてきました。
今日の宿まではあと1時間もあればたどり着くはずなので、ローソンでコーヒーでも飲みながら少々休むことにしました。雨も止みそうにないので…。

民宿「久百々」には午後3時に到着。歩き遍路には比較的に評判の良い宿です。
この日の客は二人。
高知のお遍路宿の夕食ではカツオ料理が定番でしたが、このひはカツオでなくブリ(ハマチ?)でした。でも美味しかった!

久百々 部屋
 
夕食
        久百々の夕食
雨の中頑張ったのでお酒を2本だけいただきました。
本日の歩行距離…25.8km



5月8日
今日も雨。
朝起きると小雨が降っていました。今日は海岸沿いに歩いて足摺岬にある38番札所の金剛福寺まで行く予定。

遍路道 海岸

久百々から足摺を目指してしばらく進むと大岐海岸という砂浜があります。天気が良ければその砂浜沿いに歩いてもいいのですが、雨降りなのでこのまま県道を歩くことにしました。

地図上では確かに海岸沿いに沿った県道や遍路道を進むのですが、期待に外れてなかなか海は見えません。海岸沿いに生える木々に阻まれてしまい山道を歩いているようです。

大岐の砂浜から約30分で以布利の小さな漁港に着きます。雨降りということもあり、人影はほとんどありません。地頭販売機で飲料水を買っただけで先を急ぐことにしました。

以布利漁港
       以布利漁港
道沿いに「足摺岬まで11km」との道標がよくあるのですが…少々疑問に思うことが多々あります。先程の道標からもう1kmは歩いたと思う頃に「足摺岬まで11.5km」などという道標が改めて出てくることがあります。
一休みしたいと思って歩いていると遍路小屋が見えてきました。地頭販売機はあるし、トイレもあるし…遍路小屋にしては結構広いものでした。

遍路小屋 休憩
         遍路小屋                   遍路小屋にて

宿で作ってもらったおにぎりを食べていると、大きなザックを背負った歩き遍路がやってきました。見ると数日前にどこかの札所で会って言葉を交わした韓国から来た兄ちゃん(正確には兄ちゃんとおじちゃんの中間くらい)でした。
独りで来て一気に88札所を回る予定とのこと。日本語も達者で、聞かなければ日本人だと思ってしまいます。
5分ほど休んで私よりも先に雨の中を足摺を目指して出発していきました。
足摺岬はまだまだ先です。

そうのんびりもしてい慣れないので、私もザックを背負って足摺を目指しました。多くの歩き遍路が足の豆に苦労しているようですが、私は足に豆はできません。疲れによる足の痛みもありません。
しかし、ザックを背負っているのでザックのバンドが肩に当たり肩が痛くなります。他の歩き遍路の人達に比べると荷物は重くないのですが…。

ようやく足摺岬まであと2kmというあたりから雨脚が強くなり風も強まりました。大粒の雨が顔にぶつかります。
そんな中、何とか足摺岬に到着しました。いるはずの観光客は一人もいません。
金剛福寺に行く前にせっかく来たのだから岬の灯台くらいは見ようと思い、潅木のトンネルむをくぐって灯台の前に行きました。雨と風が強くて…すぐに戻りました。

お参りの前にお土産屋の2階の食堂でラーメンを一杯いただきました。宿で作ってもらったおにぎりだけでは足りなかったので…。

金剛福寺の境内に大きな池があるのですが、雨で池の水が溢れていました。

足摺岬 金剛福寺
       足摺岬灯台                  金剛福寺

この日は金剛福寺の宿坊に泊まりました。
雨の中、頑張ったので、お酒を2本ほどいただきました。

宿坊 夕食
        金剛福寺宿坊                金剛福寺宿坊夕食
この日の歩行距離…20km



5月9日
金剛福寺から次の延光寺までは52kmあるのでとても1日では無理。この日は途中の三原村にある民宿「くろうさぎ」まで歩くことにしました。距離は約38km。
朝食
      金剛福寺宿坊朝食

快晴の中、朝7時に出発!
昨日、雨の中を歩いた道を久百々まで戻って真念庵の手前を西に向かい山を越えて三原村に向かいます。

順調に久百々まで戻り、その先の下ノ加江のローソンでサンドウィッチとバナナを買って昼食。

下ノ加江川に沿ってさかのぼります。山間を曲がりくねった県道なのですが車はほとんど通りません。1時間に1台通るかどうかという道です。勿論歩いている人はいません。延光寺までの歩き遍路のルートはいくつかあり、私の選んだルートはあまり一般的ではないようです。多くの歩き遍路は土佐清水市から益野を経由して三原村に行くようですが、このルートは距離もあり、山道なので止めました。

遍路道 下ノ加江川
         下ノ加江川               下ノ加江川の清流
下ノ加江川は水がきれいで上流に行けば行くほど澄んだ水が流れています。

もう少しで今日泊まる民宿、という所で大失態となりました。
何時間も歩いた疲れか、カメラを道に落としてしまいました。拾い上げてチェックしてみたら…やはり作動しません。スイッチを入れてもレンズが出てこなくなってしまいました。
あと数日旅を続けますが、もう写真は撮れないのかと思うと残念でなりません。

落とした現場
    カメラを落とした場所
歩きながら考えたのですが…、このカメラはいずれ修理に出すとして、安いカメラをどこかで買おう、と思ったのですが…、カメラ屋のような店は「宿毛」までありません。宿毛には明日の夕方着く予定なのでそこで買うことにしました。

それまではあまり使ったことのない携帯電話のカメラを使ってみることにしました。

そうこう考えているうちに民宿「くろうさぎ」に到着しました。
客室は別棟になっていて、客室は2室ありました。

くろうさき 部屋
          民宿くろうさぎ               民宿くろうさぎの部屋
洗濯をしていると、昨日足摺の手前で会った韓国の兄ちゃんがやってきました。
この日の歩行距離…38km
夜8時半消灯



5月10日
いつもより少々早めに出発しました。出発してから約1時間、三原村の役場でトイレを借りて遍路道を再び歩き始めるとすぐ前に歩き遍路が一人歩いていました。
丸菅笠に墨染めの衣を纏い、見るからにプロが持つ金剛杖!
金剛福寺の宿坊で同宿だった若いお坊さんでした。

プロ ダム湖
      プロのお坊さん遍路                  ダム湖
遊びたい盛りのこんな青年が衣を着て歩き遍路をやっているのに感心してしばらく話しました。なんでも坂戸市に住んでいるとのこと。

延光寺まではさほど高くはありませんがひと山超えて歩きます。その間にトンネルが2か所ありました。山から下りると「くろしお鉄道」の平田という駅があり、さらに進むと国道に突き当たります。その国道を西に行くと約2kmで延光寺に着きます。

延光寺
          延光寺
山門をくぐると右手に赤亀を祀ったお小さなお堂があります。赤亀が竜宮から鐘を運んできたとの伝説があるようです。
快晴のせいか車でのお遍路さんが結構いました。

お参りを済ませて、国道56号線の旧道を西に向かって歩き始めました。途中、食堂のような喫茶店のような店があり、腹ペコだったのでここで昼食をとることにしました。ピザのセットを注文したのですが…、出てきたのはピザが1/6切れ、小さなサラダ(一口で食べられそう)それにコーヒー、それで700円。失敗しました。
ピザは丸い一枚が出てくるものと思っていたのですが…。
やはり昼食は「うどん屋」がいいと改めて思いました。

元気を出してまだ歩き続けました。宿毛の町に近づくにつれて店も点在しています。
やがて今晩泊まる秋沢ホテルが見えてきましした。
ホテルでデジカメを売っているような家電量販店があるかどうか聞いてみると、約500m先にあるとのこと。
行ってみると大きな店がありました。数あるデジカメの中で一番安いのを買いました。(10,000円)

宿の秋沢ホテルの部屋は久し振りの洋室(ツイン)
夕食も豪華だったのでお酒も2本ほど頼みました。

部屋 夕食
            秋沢ホテル部屋              秋沢ホテル夕食
この日の歩行距離…27km
夜9時消灯



5月11日
朝食を6時半、7時出発。
今日は松尾峠を越えて一本松を経て観自在寺まで歩きます。
松尾峠を越えれば高知県から愛媛県に入ります。
今回の遍路旅の目標の1つが高知県をすべて回るとのことだったので、その目標は達成できそうです。

ホテルを出て道しるべを進むと細い遍路道に変わります。山間の遍路道を4~5km進みますが、この間はさほどの登りではありません。ミカン畑の間を進んだり林の中を進んだり…。

宿毛市 観自在寺へ
        宿毛市                  観自在寺に向かう
そののち遍路道は急にきつい登りになります。
道端の「道標」が励ましてくれます。
息を切りながらやっとの思いで登っていくと休憩所がありました。そこが峠かと思ったのですが、まだ登りの遍路道が続いています。
それでも何とか峠に到着して一休み!

松尾峠 松尾大師
          松尾峠                  松尾大師

山道は荷物が肩に食い込んで…。
ここを越えてやっと愛媛県に入りました。
峠を越えての下りは滑らないように注意しながら高度を下げていきます。麓に着いてからはなだらかな道を一本松の村に向かいます。

一本松にもローソンがあったので昼食用にパンとおにぎりを購入して休憩所で食べました。
観自在寺へはあとひと山越えなければなりませんが、松尾峠のようなきつい山道ではなくだらだらした林道です。ここまで来ればもうさほどのことはないと思い少々ゆっくり休みました。


休憩
                 遍路休憩所にて
休んでいると、逆うちの歩き遍路路さんが独りやってきました。話しぶりからすでに何回か回っているベテラン遍路のようでした。
年を聞くとニコニコしながら76歳だと言っていました。敬服!

そののち今度は「順打ち」で若者が来ました。彼は黒潮町のネスト・ウエストガーデン土佐で一緒だったデンマーク人でした。聞くと今日は私と同じく観自在寺の宿坊に泊まる予定とのこと。そうこうしているうちにもう一人女性遍路が来ました。彼女も確か岩本寺で会っていて、確か三重県の松坂から来た女性でした。聞くと彼女も観自在寺の宿坊に泊まる予定とのこと。
それでは3人で一緒に観自在寺まで歩こうかと普通であればそうなるのでしょうが、歩き遍路はそうはなりません。
自分のペースを守るためバラバラで歩きます。
先ずデンマークの兄ちゃんが最初に出発していきました。遅れること5分、松坂のお姉さんが出発。2人の姿が完全に見えなくなってから私もゆっくりと出発しました。

当然、観自在寺に着いたのは私がビリ。
天気が良いせいか、バスや車でお遍路さんが結構来ていました。


観自在寺
                観自在寺にて

観自在寺の宿坊の泊り客は結局我々3名だけでした。
この宿坊は食事の提供はなく素泊まりです。(4,000円)
宿泊客が少ないため大風呂は焚かず、小さな家庭用のような風呂に到着順に入ります。

風呂を済ませて、洗濯をしながらのんびりと境内を散歩しました。
民宿もホテルも宿坊もみな同じですが、洗濯と言っても洗濯機の中に洗濯物を入れてスイッチを入れるだけ、それが終わったら今度は乾燥機に移すだけです。
コインを入れるところもあれば無料で使えるところもあります。

宿坊のおばちゃんに近くの食堂を教えてもらい、デンマークの兄ちゃん、松坂のお姉ちゃんと私の3人で出かけました。

寺から3分ほどの僧戸川に面した食堂で定食をいただきました。私が3人の中で飛びぬけての年長なので、2人に飲み物をお接待させていただきました。勿論私もお酒を2本だけいただきました。

デンマークの兄ちゃんは2か月かけて四国を一周するらしい。松坂のお姉ちゃんは仕事を辞めて何か思うところがあって遍路を始めたらしいが、詳しくは不明。

宿坊 部屋
         観自在寺宿坊                 観自在寺宿坊部屋
この日の歩行距離…18.9km
夜9時消灯



5月12日
 
朝6時半、3人の中で私が一番先に出発。
次の龍光寺まではとても1日では歩けないので、今日は津島町まで行く予定。

室手から柏までは海岸線に沿って歩きますが、そこから遠くに見える山並みに向かって遍路道を進みます。
しばらくすると傾斜がきつくなりまた山登りとなります。休みながら進むマスが…延々と続く登りを見ると戦力が減退してしまいます。
かなり登ったつもりなのですが…あそこが最後の登りかな、と思ってそこまで行くと、まだまだ続いています。

愛南町 山へ

山登り
      山に向かう                   
頂上というか峠にある柳水大師まであと1.6kmという表示があってからの登りの長いこと長いこと…。
でも、最後には必ず着きます。
途中でデンマークの兄ちゃんに追いつかれ、先に行かせました。

若い連中と張り合うとかなうわけがないので…。
このデンマークの兄ちゃんもそうですが、若い人たちは、荷物を背負っていても背がピンとしていて軽々と歩いているように見えます。
私はというと、大したザックではないのに重そうに背負い、必然的に前かがみになってしまいます。

柳水大師に到着したのは午前10時頃。休憩所でしばし休憩。

柳水大師
      柳水大師の休憩所

登っているときは暑いですが、少し休むと汗が冷えてきて涼しく感じます。
買って持ってきた「はちみつゆず」を飲んで元気を取り戻して出発しました。

柳水大師から清水大師へはあまり高低差なく尾根伝いに進みます。
そこからは急な下りを注意しながら降りていくと国道56号線に到達します。
遍路道は国道から少し離れて進むのですが、国道沿いにだいぶ先ですが食堂らしき建物が見えるので、等まわりになりますが食堂を目指して歩きました。
すでに12時を過ぎていたので昼食をとることにしました。注文したのはまたまた「うどん定食」。コーヒーは無料で接待していただきました。

ポスト 標識
昼食をとったらまた元気が出てきて、途中から遍路道に戻り歩き続けました。
津島町に入るころからは芳原川と国道沿いに歩き、津島大橋を渡ると津島町になります。古く趣のある民家が並んでいますが、あまり人は見かけません。

大畑旅館は獅子文六が逗留していたことで有名だそうです。泊まった部屋でひょっとしたら小説を書いていたのかもしれません。

昨日、観自在寺で一緒だった松坂の彼女もほぼ同時に到着しました。
今日の宿泊者は2名だけ。
大畑旅館 部屋
          大畑旅館                 大畑旅館部屋
夕食 獅子文禄
        大畑旅館夕食                 獅子文禄ゆかりの文書
この日の歩行距離…25km
夜9時消灯


5月13日
津島の大畑旅館を7時に出発。
宇和島を目指して国道56号線を歩くこと約1時間、松尾トンネルが見えてきました。
トンネルを進めば高低差はなく楽に宇和島方面に行けるのですが、歩き遍路道はこのトンネルの手前から山に向かいます。

トンネルの手前に遍路小屋がありましたが、休まずに山を目指して登り始めました。地図上の情報によればさほどの高度ではないはずです

トンネル 遍路小屋
          松尾トンネル               トンネル手前の遍路小屋
しかし、やはり登りはきついです。約30分で峠と思われるところまで登りました。後は降るだけです。下りはゆっくりと注意深く一歩一歩進むことにしています。下り終わったところで道を間違えてしまい、とんでもない方向に行ってしまいましたが、幸い地元のおじさんが道が間違っていることを教えてくれて何とか正しい道に戻ることができました。

曲がるべきところで「道しるべ」に気づかずに進んでいってしまったためでした。
道標にはいろいろなものがあるのですが、間違って進んでしまうと道標が無くなってしまいます。

標識 標識 標識 標識
道を間違えてしまったため約1時間ロスしましたが、無事に宇和島の町が見えてきました。
町に入る手前に「ジョイフル」がありました。時計を見るとまだ10時半。でも…峠を越えて、道を間違えてしまっただため休みなく歩いてきたのでお腹がすいてきました。
それに、旅を始めて以来、魚は食べてきましたが、肉をほとんど食べていません。無性に肉が食べたくなりました。

注文したのは、ハンバーグ+鶏肉の料理。久しぶりの肉料理はうまかった!

ハンバーグ
     ハンバーグ+鶏肉
宇和島の町を越えてそのまま国道57号線を北にに向かいます。国道の歩道を歩き続けるのですが、天気が良くてアスファルトの照り返しでだいぶ肌が焼けました。

41番札所の龍光寺に着いたのは午後2時頃になってしまいました。

龍光寺
       龍光寺
お参りを済ませて出発の準備をしていると、大きな荷物を背負った外国人が山門から境内に伸びる石段を登ってきました。
聞くと、ドイツのミュンヘンから来たとのこと。

歩き遍路に関しては外国人がとても多く感じます。今回の旅でも、イタリア人のじいさん、フランスの青年、カナダの兄ちゃん、フロリダから来たじいさん2人、デンマークの兄ちゃん、韓国の兄ちゃん、ドイツからのお姉さん、オランダの姉ちゃん…。
日本人もいますが、数では外国人勢にまけているかも。

ブドウ
先を急いで、ブドウ畑、田んぼの中を進み、約40分で42番札所の仏木寺(ぶつもくじ)に到着しました。
2年前に同じルートを歩いたのでなんとなく覚えています。あの時は秋だったので、遍路道沿いにコスモスの花がとてもきれいだったのを覚えています。

仏木寺
                 仏木寺
納経を済ませて宿を予約しようと思って近くの民宿(2軒あります)に電話したのですが、一軒は今日は都合により休業、あとの一軒は満杯でした。

仕方なく、明日泊まる予定のビジネスホテルに電話したところ、今日も空いているとのことなので今日・明日と二泊することにしました。

これから歩いてきた道をまた宇和島まで歩いて戻るのはさすがに無理なので、仏木寺前のバス停から宇和島までバスで戻ることにしました。明朝また宇和島からバスでここまで来て、歩き遍路をつづけるつもりです。
しかし、バスは行ったばかりで、一時間少々待つことになりました。

バスで宇和島駅まで戻ると、ホテルは目の前でした。
ビジネスホテルなので食事は無し。

部屋
宇和島は遍路道中でも高知以来の大きな町なので、どこで何を食べようか迷ったのですが、結局はホテルが推薦したところで夕食をとりました。

食べたのは、〇〇定食(名前を忘れました)。刺身、天ぷらと漬物、みそ汁がついていました。
刺身に合う地元のお酒があるとのことなので、2本だけいただきました。
帰りにコンビニで翌日の朝食用にパンと果物を買い、ホテルに戻って夜9時消



5月14日
朝一番のバスで昨日行った仏木寺前まで戻り、今回の旅の最後の札所、43番明石寺を目指してスタートしました。
あいにくと天気は雨。

今日歩くコースの距離は10km少々で大した距離ではないのですが、途中に歯長峠という今回の旅で一番きつい山登りが待っています。
仏木寺からはすぐに舗装された道路を離れて遍路道を徐々に登っていきます。幸い雨はさほど強くはありませんが、雨具を脱ぐわけにはいきません。
蒸れて暑いながらも途中の休憩所に着きました。歯長峠の登りはこれからがきつくなります。登っても登っても細い山道が続きます。

すでに靴はびしょぬれになってしまって歩ぎずらいですが、一歩一歩気を付けながら登りました。

それでも何とか峠に着き一休み。もう登りは無いと思うとホットします。
こんな天気なのでおそらく誰も来ないなと思っていたら、同じように濡れながら一人の歩き遍路が登ってきました。
山に入る前には振り返っても誰も見えなかったので、私よりかなり早いペースで登ってきたものと思われます。
見ると私よりはるかに若い兄ちゃんでした。挨拶程度の言葉を交わして、兄ちゃんは休まずに峠を下っていきました。

下りきった後は県道29号線を卯之町方面に向かって進みます。
卯之町に近づくと、遠くにうどん屋が見えてきました。少々早いですが、昼食にしようと思いました。しかし近づいてみると営業していませんでした。残念!
 
43番札所の明石寺には1時半に到着。雨の中で参拝を済ませた後、山門のところにあるお土産屋兼食堂で遅い昼食(うどん)を食べました。

明石寺 本堂
          明石寺の石段               明石寺
食堂で
                     参道の食堂にて
これで今回の遍路旅は当初の予定通り43番札所まで回りましたので終了することにして、この続きは秋に続けることにしました。

明石寺に近い卯之町の駅まで歩き、宇和島まで予讃線で戻ることにしました。本数が少なく、駅で1時間以上待ちましたが、4時には宇和島のホテルに戻ることができました。

びしょ濡れの衣服を洗濯し、夕食は昨日行った「かどや」で「天ぷら定食」を食べました。最後の夕食だったので、当初の目的達成記念としてお酒を2本ほどいただきました。

この日の歩行距離…12.8km
今回の旅の総歩行距離…437.5km

翌日の朝7時半宇和島発の列車で岡山、東京経由で熊谷に戻りました。


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