ネルトリンゲンからこのフュッセンまではもちろん鉄道で、と思っていました。
しかし途中の駅で降ろされ、後はバスとなりました。
もちろん振替輸送のバスはフュッセンの駅に着きます。
ユースホステルは駅から線路沿いにしばらく戻ったところにありますが、その時その線路を見て理解ができました。
線路は錆びて敷石からはペンペン草が生えています。しばらく列車が通った形跡はありません。
このフュッセンは観光的にはとても重要な町ですが、その大部分がバスや車で来るため鉄道は廃線同様になってしまっていたのです。40年前は確かに列車でこの町に着いたと思いますが・・・。

ヒュッセンの町
この町には有名なノイシュヴァンシュタイン城があります。
多くの日本人観光客がロマンチック街道の最終地点として目指す城です。町からは少々離れていますが、朝からこの城を見学するため多くの観光客でごった返します。

遠くにノイシュバンシュタイン城が見えます
中にはミュンヘン辺りから、フュッセンの町などには寄らず、この城だけを見るために観光バスでくるツアーもあるとか・・・。御苦労なことです。私はこの城の下までは行きますが、城にはまだ行ったことがありません。今後も行かないと思います。
パリのヴェルサイユ宮殿、ウィーンのシェーンブルン宮殿、グラナダのアルハンブラ宮殿・・・だいたい想像がつきます。
このフュッセンに来て城に行かないのは私くらいかもしれません。 それより、このフュッセンの町の中にも城があります。こちらはすいていて、この町の歴史もよくわかります。
この町のユースホステルは駅から線路沿いにかなり戻ったところにあります。我々がユースに向かう途中、やはり若い女の子が荷物を引きずりながらユースを目指していました。てっきり日本人かと思ったら「アンニョンハシムニカ」!
翌日は町で彼女と夕食を共にしました。

今回もノイシュヴァンシュタイン城が近くに見えるバスの終点まで行きましたが、100パーセントの人たちが城に向かうのに逆らって、シュヴァンガウの村を目指して炎天下の農道を歩いて行きました。
シュヴァンガウの村までは歩いても40分位。いい村です。観光客はゼロ。農家の前を歩くと、牛の糞のにおい。しばらく忘れていたにおいです。
昔子供だった頃、家から少し歩けば、このにおいがしたものですが・・・。
シュヴァンガウの村の小高い丘の近くに教会があります。南ドイツの山々をバックにその教会の絵を描きました。
描いていると近所の子供がやってきて、ドイツ語でいろいろと聞いてきます。 5~6歳の子供たちでしたが、本場だけあってしっかりしたドイツ語です。
なんとか1枚描き上げて、その子供たちに、「炎天下で描いていたのでのどが渇いた。どこかこの村で飲み物が飲めるカフェーはあるか」と聞きました。 子供たちはあっちにあるとか、いやその店はカフェでなくレストランだとが・・・。
すると、一人の女の子が黙って坂をかけ下って行きました。
画材道具をかたずけていると、さっきの女の子とその母親と思われる女性が丘を登ってきました。
母親は冷たいコーラの瓶を私に差し出し、私に 「Bitte schon !」。感激で涙が出そうでした。

シュヴァンガウの教会を描く
作品 油彩 F6号
|