山田精一 油彩風景画のワン・ポイント
 風車の未完作品  今回、描こうと思うのは…昨年オランダでスケッチしてきて、そのままになっている作品です。

完成度はまだ10%くらいでそのままになってしまっています。
本来は現場で60~70%まで描いてくるのですが、この作品については時間切れで超未完のままになっていました。
しかし、基本的なデッサンと色付けだけはしておいたので何とかなると思います。

場所は…ロッテルダムの町から自転車で30分くらい東に行った所です。(キンデルダイク地区)
キャンバスの大きさ…F8号
 描く前に
場所の選定がとても大切です。よく、「せっかく来たのだから1枚描かなくては…」と思いますが、そこで描いたらどんな絵になるかを想像し、納得してから描くことが大切です。納得できる場所が無い場合は描かない方が良いと思います。
私は次の点に注意して場所を選びます。

①完成した絵を想像して、納得した場所で描く。
②風があまりない所
③直射日光が当たらない所。特に画面に直射日光が当たらないようにします。この場所では日陰が全然なかったので身体には日が当たりますが画面には日光が当たらないようにしました。
➃長時間いるので…近くにトイレがあるか…誰も人がいない所
➄人の邪魔にならない所

 場所が決まったら、まず構図を決めて…いざ開始!
初めに木炭でデッサンする人もおりますが、私の場合は直接油絵具で塗り始めます。

とは言っても…、最初は、ローズマダーとウルトラマリンの2色を程よく混ぜて(紫色の状態)、ペインティングオイルで溶かし、これで全体のデッサンと明暗を付けます。

この作品は、さほど丁寧に描き込みませんでしたが、いつもはかなり細部にわたってこの2色でデッサンします。
使う筆は0号。

天気がいいと、比較的早く生乾き状態になります。
 絵具
 ワンポイント1  今日からの作業は
まだまだ塗り残してある部分に忠実に色を乗せていきます。

年のせいか…片手で描くと手が震えてしまって筆をまっすぐ運べないために左手も添えています。

この段階での注意点
①土手に咲いている菜の花を表現するため、花の部分は忠実にイエローを置いていきます。イエローは透明性があるので、板時に別の色が塗られてしまった上に黄色を乗せてもうまく発色しません。
 羽の細部 風車の羽の網の部分も位置の確認のため細い筆で 描いておきますが、この金網部分はあまりに細いので、空を塗る段階でいったん塗りつぶしてしまいます。

空が描きあがった後にペインティングナイフのエッジで再び金網の表現をするつもりです。
 全体に色を  全体的に色が付いてきました。
細部については多少生乾きになってから色を重ねていきます。
それには1日ほど待ってから描き始めることが大切です。

いろいろな描き方がありますが、私はほぼすべての行程でペインティング・オイルで絵具を解きます。
そのため筆は常に柔らかい材質のものを使います。
 空を塗る 空の色を太い平筆でたっぷり絵具を付けて一気に塗ります。
 
 全体に色を  色合いを見ながら、全体に絵具を置いていきます。
どの行程でも絵具を付けた筆を何度もこすらないことです。
一回の筆で絵具を置くことが大切です。
たとえ乾いていない下地の上でも一回の筆で絵具を置くことで下の絵具と混ざってしまうことが避けられます。

 完成度30  本日の最後行程として、空全体に色を置きます。
風車の羽の金網も一気に一筆で色を置けば、デッサン時にラインを描いた絵具とは混ざりません。

ここまでで本日は終了とします。
あまり続けて塗り込むと失敗してしまいます。

明日になれば生乾きになり、色を重ねることができます。


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 細部に加筆  近景の部分を注意深く加筆する。
ただ塗ったところは色が混じらないようにあまり重ね塗りはしない。1日置いておけばその心配もありません。

 だんだん見られるようになってきた  画面全体に色が配置された段階で、少々後ろに下がってコーヒーでも飲みながらしばらく眺めてみる。

そうすると、不自然な箇所等が分かったりもします。
 空を加筆  空も昨日一度塗りましたが、ここで油絵具の良さを表現するために再度太い筆で加筆する。

風車の羽など細かい部分はあまり気にせずに、一度その上にかぶせて塗ってしまいます。
 羽が消える  空の加筆で風車の羽やその網もかぶせて塗ってしまいましたが、この後に消えてしまった部分を再度塗り込みます。
 羽を加筆  風車の羽などを細い丸筆で再度塗ります。
当然空の色は乾いていませんが、柔らかな筆で描けば問題なく色は乗ります。
ただしこの時に筆をこするようにしては行けません。
オイルで溶いた絵具をキャンバスに置くようにします。
 ペインティングナイフで  
次に、消してしまった風車の羽の網の部分ですが、これはペインティング・ナイフのエッジを使って表現します。
 金網加筆  
ペインティング・ナイフのエッジに柔らかく溶いた絵具を付けて、軽くキャンバスに押し当てます。

下の空の絵具が完全に乾いてしまうとかえって描きずらくなってしまいます。
 70%  羽を描き入れるとだいぶ風車らしくなってきました。

今日はここで終了!
完成度…約60%

通常はスケッチに出かけると、これくらいの状態まで現場で描いてきます。

続きは明日にします。
というのは今日はこれから飲み会があるため。


   
 70%
 羽の網をいったんナイフ・エッジで描いてはみたものの、少々固い感じがしたので…一度網の部分をまた消しました。

少々乾いてから、細い筆で網を描きなおしました。
 85%  
近景の細かい部分にも加筆しました。

これでほぼ完成!
 サインを入れる  
最後に、サインを入れます。


  
 完成作品  
完成しました。


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